レビュー:Haylou S40は「安いからいい」じゃなく「買って良かった」へ。

僕は普段から「高いヘッドホン=良い」とは限らないと思っています。
音質・機能・使い勝手のバランスが大切だからです。
今回レビューする Haylou S40 ヘッドセット は、実売1万円以下でありながら、アクティブノイズキャンセリング(ANC)最大−50dB・LDAC対応・最大90時間再生・デュアルドライバー搭載など、主要機能をしっかり備えた製品です。
正直、最初は「価格なりかな」と思っていました。ところが、使ってみると「いいじゃん」と感じる場面が多く“価格以上の価値を感じられるヘッドホン”だと僕は思っています。
もちろん、完璧ではありません。感じたデメリットも正直にお伝えします。
ただ、それも含めて「日常で使える実力」があるのがHaylou S40の魅力でした。
Haylou S40のスペック

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製品名 | Haylou S40 |
| タイプ | ワイヤレスヘッドホン(ヘッドセット対応) |
| ドライバー構成 | デュアルダイナミックドライバー(40mm + 20mm) |
| ノイズキャンセリング | アクティブノイズキャンセリング対応(最大 −50dB) |
| 外音取り込み | 対応 |
| Bluetooth | Bluetooth 6.0 |
| 対応コーデック | LDAC / AAC / SBC |
| マルチポイント | 対応 |
| 空間オーディオ | 対応(360°空間オーディオ) |
| バッテリー持続時間(ANCオフ) | 最大 約90時間 |
| バッテリー持続時間(ANCオン) | 最大 約50〜60時間 |
| 急速充電 | 対応(約10分充電で約5時間再生) |
| 充電端子 | USB Type-C |
| 有線接続 | 対応(USB-C) |
| マイク | 内蔵マイク + 着脱式ブームマイク対応 |
| ゲームモード(低遅延) | 対応 |
| 専用アプリ | 対応 |
Haylou S40のメリット
装着感が軽く、長時間でも疲れにくい
ワイヤレスヘッドホンって、最初は良くても、30分〜1時間で「そろそろ外したいな…」となるものが少なくありません。
特に僕の耳は大きい方だと思うので尚更。たいていのヘッドホンはイヤーパッドは小さくて痛くなってきます。
でもHaylou S40は、側圧が強すぎず、イヤーパッドも柔らかめ。頭を締め付ける感じがほとんどありません。ここのイヤーパッドは標準的な大きさですが、付けていて数時間は痛いと思うことはありませんでした。
僕は作業中にそのまま2〜3時間つけ続けましたが、重さや圧迫感が気になって集中が切れることもありません。

これ、派手さはないですが、かなり重要です。なぜなら、ヘッドホンは「音がいい」よりも「使い続けられる」ほうが価値があると思っているから。
結果として、「今日は使うのやめておこう」ではなく「とりあえずつけるか」が自然に起きる。それくらいに付け心地が重要だと感じています。AirPodsがまさにそうですよね。音質は特段にいいわけではないですが、あの連携や付け心地が良くて、1番使ってるイヤホンですよね。
この装着感の軽さは、Haylou S40が“日常用”として優秀だと感じた理由のひとつです。
機能がシンプル

Haylou S40は、「機能が多すぎて使いこなせない」という悩みを持つ人でも迷わず使えるヘッドホンです。
まず基本としてワイヤレス接続は Bluetooth 6.0 を採用しており、安定した通信と低遅延を実現しています。さらに、複数台との接続(マルチポイント)対応。
音質面では、40mm + 20mm のデュアルダイナミックドライバーを搭載。これにより低音〜高音までバランス良く再生でき、LDAC / AAC / SBC といった主要なコーデックにも対応しているため、Androidスマホでは高音質なワイヤレス再生も可能です(※LDACはAndroid端末のみ有効)。また、ハイレゾワイヤレス認証や360°空間オーディオにも対応しており、映画やゲームでの没入感も高められています。

ノイズキャンセリングも充実していて、最大約−50dBのハイブリッドANCを搭載。複数のモード切り替え(外音取り込み含む)により、通勤・作業・カフェなど様々な環境に対応できます。

バッテリー関連では、最大90時間の長時間再生に対応し、ANCオンでも最大60時間程度使えます。さらに、急速充電により10分で約5時間再生が可能なのも便利なポイントです。
さらに、有線接続(USB-C)やゲームモード(低遅延)にも対応していたり、外付けの着脱式マイクを使えばオンライン会議やゲーム配信にも使えるなど、機能の取捨選択がうまくできています。
このようにHaylou S40は、機能の数だけを盛るのではなく、日常的に使いやすい機能を“ちゃんと使える形で”まとめているのが特徴です。その結果、複雑すぎず、しかし欲しい機能はちゃんと備えている、というシンプルさと実用性の両立がうまくできています。
価格を忘れる音質の良さ
Haylou S40の音を最初に聴いたとき、価格を一瞬忘れてしまうくらいに音質はいいと感じました。(Amazon価格は7,989円)
低音はしっかり沈み込みますし、輪郭もはっきりしています。ドンシャリすぎず、ボーカルが前に出てくるバランス。作業用に流す音楽でも、ちゃんと「聴いていて気持ちいい音」です。
特に印象が良かったのは、音がこもらないこと。この価格帯だと、低音を強調しすぎて中高音が埋もれる製品も多いですが、Haylou S40はそこをうまく抑えています。
もちろん、数万円クラスのヘッドホンと比べれば、音の奥行きや空気感は違います。ただ、日常使いでその差を気にするかと言われると、正直ほとんどの人は気にならないと思います。

「高いヘッドホンじゃないと満足できない」そう思っていた人ほど、この音で十分じゃないかと感じるはず。
値段を知ったうえで聴き直すと、むしろ「これでこの音?」と、少し得した気分になります。それくらいに個人的に音質がいいと思った製品。
いやー最近のイヤホンやヘッドホンは実に音質がいい。どれを選択すればいいか年々迷ってきますね。ここまでくるともう見た目で選択するしかなくなりそうです。
ノイズキャンセリングが想像以上に実用的
エアコンの動作音や、電車の走行音、カフェのざわつき。こうした低音寄りの生活ノイズは、しっかり抑えてくれます。
完全に無音になるわけではありません。人の声や高音は多少残ります。ただ、それでも音の情報量が一気に減るので、集中しやすい環境はちゃんと作れますね。
作業中に音楽を流すと、外の音が気にならなくなり、「今やっていること」に自然と意識が向く。この感覚は、ノイズキャンセリングが効いている証拠だと思います。

また、外音取り込みモードも搭載されているので、レジでの会話や周囲の状況確認も問題ありません。切り替えが簡単なのも、日常使いでは嬉しいポイントです。
高級機のような圧倒的な遮音性はありませんが、日常生活で使う分には十分すぎる実用性。この価格でここまで効けば、文句は出にくいと思います。
バッテリー持ちが長く充電ストレスがほぼない
毎日使っているのに、バッテリー残量を気にする場面がほとんどありません。作業用、移動用、家でのリラックスタイム。どのシーンでも、充電を前提に行動しなくていいのはかなり快適です。
公式スペックとしては、1回のフル充電で以下のような再生時間が期待できます:
- ノイズキャンセリング(ANC)をオフにした状態:最大約90時間再生可能
- ANCをオンにした状態:最大約50〜60時間再生可能
- 急速充電:10分の充電で約5時間再生可能
- フル充電時間:約2.5時間程度(通常の充電時間)
バッテリーが短い製品だと、「今日は残ってるかな?」と、無意識に気を使うんですよね。Apple製品のすべてはこれなので、まじでどうにかしてほしいって毎回思ってます。
Haylou S40はその心配がほぼない。結果として、使う頻度が自然と増えます。
朝の身支度の10分だけ充電しておけば、5時間再生できる急速充電にも対応しているので、「バッテリーが切れそうだけど出かけるまで時間がない」という時にも安心感があります。
また、万が一バッテリーが減っていても、短時間の充電である程度使えるのも安心ポイントです。充電し忘れたけど、ちょっと使いたい」そんな場面でも困りません。
Haylou S40 のデメリット
マイク性能が特段にいいわけではない

Haylou S40はヘッドセットとして使えるマイクを備えていますが、マイク性能そのものを強みとして売る製品ではありません。ここは期待値を正しく持っておいたほうがいいポイントです。
まず、内蔵マイクでもヘッドセットをつけてで音質は「普通」です。通話やオンライン会議で困ることはありませんが、声の解像度やノイズ耐性は高級ヘッドセットと比べると差があります。環境音が多い場所では、どうしても周囲の音を拾いやすく、声が少し平面的に聞こえる印象です。
実際の音声はこちら。
一方で、ブームマイクを装着した状態でも、
「マイク音質がすごく良い」と感じるかというと、そこまでではありません。あくまで実用レベル。
配信や収録、マイク音質を最優先する人は、最初からゲーミングヘッドセットを選択した方が幸せになれそうです。そう考えると、Haylou S40のマイク性能は「割り切って使う分には十分」。
過度な期待さえしなければ、日常用途で困ることはない。その位置づけを理解して選ぶのが、いちばん後悔しない使い方だと思います。
プリセットイコライザが微妙
Haylou S40のプリセットイコライザは、あまり出来が良いとは感じませんでした。
用意されているプリセットは一通りありますが、切り替えた瞬間に「おお、良くなった」と感じるものは少なめです。低音を強調しすぎたり、逆に中高音が痩せてしまったりと、バランスが崩れる印象を受けました。

ここは少し残念なポイントです。せっかく素の音が悪くないのに、プリセットを使うことで逆に違和感が出てしまう。これは他サイトのレビューでも、同様の指摘が見られました。
ただし、ここで一つ大事なことがあります。プリセットを使わなければ問題ないという点です。
デフォルトの音質は、クセが少なく、長時間聴いても疲れにくいチューニングです。僕自身も、結局はイコライザをオフにして使うのが一番しっくりきました。また、自身で細かくイコライザを調整できるのでそれでもいいですね。

つまり、「イコライザで音を作り込みたい人」には向きませんが、「そのままの音で気持ちよく聴きたい人」には十分。
プリセットが微妙なのは事実ですが、致命的な欠点ではなく、使い方で回避できるポイント。そう割り切れる人にとっては、大きなマイナスにはならないと感じました。
Haylou S40 まとめ

Haylou S40は、価格を抑えつつ「音・装着感・ノイキャン・バッテリー」をしっかり押さえた、非常にバランスの良いヘッドホンです。
細かな音質やプリセットEQには割り切りが必要ですが、日常使いでは不満を感じにくい完成度。さらにブームマイクを使えば、ヘッドセットとしても十分実用的です。
高いモデルに手を出す前の“最適解”として、安心して選べる一台だと僕は感じました。
ではこのへんで。

















コメント