FLEXISPOT C5オフィスチェアレビュー:高級チェアじゃなくても座り心地は良いんです。

「最も長く座る椅子は高級なものを買え」
この言葉、オフィスチェアを購入する際に聞いたことがあると思います。
でも、ちょっと待ってください。
それ、自分が選択するチェアで求めているものは何か理解していますか?座り心地をもとめるだけなら、それ高級チェアだけじゃなくても大丈夫です。
まずか3万円台で購入できて、長時間座っても疲れにくい設計、調整可能なヘッドレストやランバーサポート、そして厚みのあるクッション性の高い座面。この価格帯の椅子では珍しいほど細部まで作り込まれているオフィスチェアで、腰やお尻が痛くなりづらい製品があります。
それがFLEXISPOT C5。
「高級チェアだから良い」の時代は終わりです。
僕はこれまでローエンドクラス(イトーキ サリダ YL2)、ミドルクラス(COFO Chair Pro 2、COFO Chair Premium)、ハイエンドクラス(スチールケース ジェスチャー)のチェアを使ってきたので、かなり参考になるはずです。

早速みていきましょう。
メリット | デメリット |
---|---|
質感の良いキャスターと背もたれ ヘッドレストが柔らかく首が痛くならない 背もたれのメッシュが背中全体を包み込んでくれる感覚 暑さ8cmの座面が座りっぱなしでも痛くならない ランバーサポートがちょうど良い支え具合 高級チェアを比べて明らかに軽い | アームレスト機能が劣る リクライニングの硬さ調整はややしづらい |
FLEXISPOT C5オフィスチェア: 特徴と概要
まずはFLEXISPOT C5とミドルクラス、ハイエンドクラスのスペックの比較表を作ったのでみてください。
スペック
項目 | FLEXISPOT C5 | COFO Chair Pro 2 | スチールケース ジャスチャー |
---|---|---|---|
価格(税込) | 33,980円 (公式サイト価格) | 59,999円 (販売予定価格) | 239,980円 (Amazon価格) |
リクライニング角度 | 90°~116° | 90°~135° | 90°~130° |
ランバーサポート | あり(調整可) | あり(調整可) | あり(調整可) |
アームレスト調整 | 3D調整(上下・前後・角度) | 4D調整(上下・前後・左右・角度) | 4D調整(上下・前後・左右・角度) 180度回転アームレスト |
ヘッドレスト | あり(高さ・角度調整可) | あり(高さ・角度調整可) | なし・あり選択制 |
座面クッション | ウレタンフォーム (厚さ8cm) | メッシュ | 高密度ウレタンフォーム |
背もたれ素材 | メッシュ | メッシュ | ファブリック |
耐荷重 | 125kg | 136kg | 136kg |
保証期間 | 3年 | 5年 | 12 |
上記をパッとみてどう思いましたか。きっとこう思ったはずです。
「高級チェアとの違いそこまで無いな…。」
そう、細かい違いはあれど、機能面で言えば違いはそこまでないのです。明らかに違うのは保証期間くらい。
では、次に実際にFLEXISPOT C5を使用してみた感想をお伝えします。
FLEXISPOT C5のメリット
質感の良い背もたれ
背もたれは光るランバーサポートのデザインが安っぽさが全くありません。
実際、ミドルクラスとハイエンドクラスのチェアを並べてみても遜色ないデザインに仕上がっています。

オフィスチェアを選ぶとき、どうしても機能だけに注目しがちですが、デザインも同じくらいに大事です。デザインがいいチェアを持っているだけで「座りたい」という気持ちになり、それが作業に直結します。
実際、高級チェアを選択しようと思っているあなたはなぜそれを選択するのでしょうか?そこにはデザイン面も考慮しているはずです。
FLEXISPOT C5のデザインはこれまで同じ価格帯のチェアの中でトップクラスに入るほどにいいと思っています。
特に背面から見ると、キラッと光るランバーサポートがチープ感をすべてかき消してくれています。フレームはプラスチックでできているのに、このワンポイントがあるだけで、正直ミドルクラスのCOFO Chair Pro 2(上記写真真ん中)よりも値段が高いチェアに見えます。

ギラギラしすぎず、さりげなく主張してくれるデザインがより良さが際立っていますね。
ヘッドレストは柔らかく、首が痛くならない
ヘッドレストは硬いか柔らかいかでいうと柔らかめ。
これが首を預けたときに頸髄が痛くならないので快適。

リクライニング時、この「ふんわり感」が絶妙。ヘッドレストが硬すぎると、もたれた瞬間に「ゴツッ」と衝撃を感じてしまうことがありますが、C5ならそれがない。頭を乗せたときに、自然とフィットする感覚があり、違和感なくリラックスできます。

ヘッドレストがあるオフィスチェアは多いですが、その質感やフィット感が微妙だと、かえって負担になることも。その点、C5のヘッドレストは「ちゃんと使える」設計になっているので、長時間の作業やちょっとした休憩時にも安心してもたれることができます。
ちなみにヘッドレストはロゴキャップでネジ部分を隠す仕様になっていますが、付けたあとでもマイナスドライバーでロゴキャップを外せるので、ヘッドレストを後から外すこともできます。

背もたれのメッシュは背中全体を包み込んでくれる感覚
背もたれはメッシュを採用しているのが好き。
「蒸れないから」は当たり前の回答ですが、それだけではありません。メッシュの張りによって、背中をしっかりと支えてくれるのが本当の理由。
ウレタンだと、たしかにクッション性はあるものの、どうしても「押し返される」ような感覚が強くなりがち。長時間座っていると、背中の一部だけが圧迫されるように感じてしまうこともあります。
実際、ウレタン素材の背もたれとFLEXISPOT C5を座り心地を比べてみると、メッシュの方が包み込んでくれる感覚があります。

FLEXISPOT C5のメッシュ背もたれは、適度な張りがありながらも、体のラインに沿ってやさしくフィット。背中全体を包み込むように支えてくれるので、圧迫感がなく、自然な姿勢をキープできます。
しかも、メッシュなので使えば使うほど、自分に馴染んでくれるのが良いんです。ウレタンだとどれだけ時間が経ってもメッシュほどに馴染むことはありません。
その観点から背もたれはメッシュ派なのですが、FLEXISPOT C5はこのメッシュがちょうど良い反発で、強すぎず、しかも肩の方に向かって広がっていく形状のおかげで、筋トレしすぎて肩が花山薫くらいにでかくなっている人でも、しっかりと背中を支えてくれるデザインになっています。

まるで、ちょうどいいテンションのハンモックに体を預けているような感覚。包み込まれつつ、しっかりと支えられるこのフィット感。
暑さ8cmの座面で座りっぱなしでも痛くならない
座面には8cmのウレタンフォームを使用し、適度な弾力と体圧分散によって長時間座っていてもお尻が痛くなりにくい。僕は体重が66kgあるのですが、メッシュ座面だと張り具合によっては痛くなるときがあります。
しかし、FLEXISPOT C5だと本当に痛くなりません。もうずっと快適。僕は日頃、意識的に何回も立って作業をしているのですが、こちらに座ってから「無理して立たなくてもいいか。」と快適性を優先してしまいます。

良い意味で危険なチェアですよ…。
「座り心地」と「疲れにくさ」は直結します。座面が硬すぎたり、逆に柔らかすぎたりすると、作業に集中できなります。でも、FLEXISPOT C5なら、そんなストレスとは無縁なので、ずっと集中ゾーンに入ったまま作業できますね。
実際、ポロモードタイマーをセットしていますが、いつもよりもタイマーがなるのが早い。それほど集中できているということです。
ランサーサポートがちょうど良い支え具合
ランバーサポートと背もたれが分離しているので、腰をしっかり支えてくれる——そんなレビューを見たことがあると思います。僕もそう思っていました。
しかし、ただ「支えればいい」というものではないということがこのチェアが教えてくれました。
腰へのサポートが強すぎると、逆に押し付けられる感じがして違和感が出たり、長時間座っていると痛みにつながることもあります。事実、COFO Chair Premiumのランバーサポートが強すぎるという意見が存在します。
一方で、サポートが弱すぎると「とってつけ」の状態になり、姿勢が崩れてしまう。
FLEXISPOT C5のランバーサポートは、この「強すぎず、弱すぎず」のちょうどいいバランス。

ランバーサポートのは上下5cmの移動ができ、ダイヤルを回転することで強弱を調整。時計回りで強く、反時計回りで弱く調整することが可能です。
ただし、座ったままの上下調整はしづらいですね。ちょっとコツがいります。

僕はヘルニアになったことがあるので、腰をしっかりと支えてもらいタイプ。でも腰を支えすぎると腰に全集中されて、背中のフィット感がイマイチなことがありました。
しかし、FLEXISPOT C5のランバーサポート強弱調整機能があるおかげで自分にピッタリのベストポジションを見つけることができました。
ダイヤルも座ったまま操作することができるのもグッド。

「ランバーサポート付き」と書かれていても、そのサポート感が快適かどうかは別問題。しかし、C5は背中を押し付けるのではなく、自然に支える感覚があるので快適でした。
しっかり支えつつ違和感のないランバーサポートは意外と少ないので、良い点ですね。
高級チェアと比べて明らかに軽いので移動がしやすい
高級チェアは確かに快適。でも、その分めちゃくちゃ重い。
どれくらい重いかというと、スチールケース ジェスチャーの重量は33kg(ヘッドレスト付き)、COFO Chair Premium約26kgです。
そしてFLEXISPOT C5の重量はというと…約15kg。めっちゃ軽い。軽すぎます。

10万円以上するオフィスチェアの多くは、安定感や剛性を重視しているため、総重量が20kgを超えることも珍しくありません。
適度な重量バランスと、スムーズに転がる静音キャスターのおかげで、掃除やレイアウト変更の際もラクラク移動可能。重すぎず、軽すぎず、「ストレスなく動かせるちょうどいい重さ」になっています。
日々の使い勝手を考えると、この「移動のしやすさ」は侮れません。椅子は毎日使うものだからこそ、ちょっとしたストレスが積み重なるもの。
だからこそ、快適な座り心地と使い勝手のバランスが取れたC5が、ちょうど良いのです。
FLEXISPOT C5のデメリット
3万円台で購入できるおフィルチェアなので、ハイエンドクラスに比べて細かい調整機能はできません。
具体的には以下の通り。
- リクライニング固定
- アームレストの左右調整
- 座面の前後調整
こういったコストをカットして座り心地に全特化したのがFLEXISPOT C5といった印象です。
その中でも僕がデメリットだと感じた部分を記載します。
アームレストの調整機能が劣る
通常のキーボードを使用している人は、アームレストの内向き角度が足らない可能性が高いです。

幸い、僕は分離型キーボードを使っているので、アームレストを活用することができましたが、一般的なキーボードを使っている人はで細身の方は載せることが困難でしょう。

しかし、アームレストって実際に必要ですか?あなたの机の奥行きが60cm〜70cmほどあるなら、デスクに肘を置くこともできるはず。そうなるとアームレストなしでも全く問題ありません。

僕はアームレストを外して作業していますが、有りのときよりよりも快適に作業できています。
- アームレストがないのでデスクが傷がつかない
- 狭い部屋でもアイランド型の配置しているが、圧迫感を最小限にできる
- デスクの奥行きが余っていたが、アームレストを外してデスクに肘を置くことで、奥行きが有効活用できた
上記は僕にとって最高のメリットです。
アームレスト無しにしたおかげで、デスク側面とアームレストが当たることがないのは本当に快適です。大事なデスクを傷ついたらショックが大きいですが、その心配がなくなるだけでストレスが減ります。

こうしたメリットも多いので、いっそのことアームレスト無しで使ってみてください。「アームレスト、そんなに必要じゃなかったな。」と新たな発見があります。
リクライニングの硬さ調整はややしづらい
FLEXISPOT C5は座面下にりくランニング調整機能がありますが、これがちょっと操作しづらい。

僕は基本一回調整したら変更しないことが多いので、そこまでデメリットとは感じませんが、気軽にリクライニングモードと集中モードとしても切り替えを行いたい人にとってはデメリットとなるでしょう。
ちなみにこの調整機能はダイヤル式ですが、少し硬いのもネックですね。
僕は背もたれを預けた際に5度くらい傾く程度に強度を調整しています。この程度の硬さだとりくランニングをしようと思えばできますし、集中モードでも全く問題なく快適に使用できるので、参考にしてみてください。
まとめ

メリット | デメリット |
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質感の良い背もたれ ヘッドレストが柔らかく首が痛くならない 背もたれのメッシュが背中全体を包み込んでくれる感覚 暑さ8cmの座面が座りっぱなしでも痛くならない ランバーサポートがちょうど良い支え具合 高級チェアと比べて明らかに軽い | アームレスト機能が劣る リクライニングの硬さ調整はややしづらい |
自分が何を求めているかで高級チェアは必要ないということがFLEXISPOT C5で実証できました。
僕はとにかく座り心地と腰のサポートが重要だったので、エントリークラスのこのチェアでも十分な用途で快適に使用することができました。
ただし20万円以上のチェアの方が使い勝手が良いというのが正直なところ。
僕が愛用しているスチールケース ジェスチャーはアームレストが180度回転できる、座面調整が簡単など、ハイエンドだからこその機能があるので、あなたにとって、求めているものは何かよく考えてから購入を検討してみてください。
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