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EPOMAKER TH80 V2レビュー:5層吸音・8000mAh・ガスケットの三位一体

以前、Epomaker Carbon60をレビューしました。

あのキーボード、今でも好きなんですよね。カーボン素材の見た目、低プロファイルの軽い打ち心地、500gで持ち出せるサイズ感。「デスクガジェットとしてもかっこいいし、外にも持っていける」という欲張りな条件を、あの価格帯でちゃんと満たしてくれていました。

今回EPOMAKERさんから届いたのは、TH80 V2です。

開けた瞬間、Carbon60とは明らかに方向性が違うとわかりました。どっしり重く、ボディは厚く、搭載バッテリーは8,000mAh。「このキーボード、どこかに持って行く気ゼロだ」と思いながら、デスクに置いてみたら、それがまた妙に落ち着く佇まいで。

75%レイアウト、ガスケットマウント、5層吸音構造、トリモード接続——スペックを並べると少し難しく聞こえますが、要するに「デスクに置いて、毎日気持ちよく打つためのキーボード」です。

数週間使い込んだので、正直に書いていきます。

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目次

EPOMAKER TH80 V2:スペック

項目TH80 V2TH80 V2 PRO
レイアウト75%(79キー+ロータリーノブ)75%(78キー+ロータリーノブ)
接続方式USB-C有線 / 2.4GHz / BluetoothUSB-C有線 / 2.4GHz / Bluetooth
バッテリー容量8,000mAh10,000mAh
マウント構造ガスケットマウントガスケットマウント
キーキャップPBTダブルショット・CherryプロファイルPBTダブルショット・Cherryプロファイル
スイッチ(選択肢)Creamy Jade / Sea Salt Silent V2Creamy Jade / Sea Salt Silent V2
ホットスワップ対応(3ピン・5ピン)対応(3ピン・5ピン)
ポーリングレート1,000Hz1,000Hz
ディスプレイなし1.06インチLCDガラスディスプレイ
対応OSWindows / Mac / AndroidWindows / Mac / Android
公式価格$69.99(約10,900円)$79.99(約12,500円)

EPOMAKER TH80 V2のビルドクオリティ:価格帯を超えた剛性感と仕上がり

正面

キーボードを正面から見たとき、まず目に入るのは75%レイアウトのすっきりとした配列です。

テンキーがなく、ファンクションキーと矢印キーは残しながらも余計な余白がそぎ落とされています。

キーとキーの間隔が均一で、並びに乱れがありません。キーキャップはPBTダブルショット・Cherryプロファイルで、表面にわずかなざらつきがあります。

光沢がなくマットな仕上がりで、指紋や皮脂が目立ちにくい素材感です。右上にはロータリーノブが配置されており、デフォルトでボリューム調整に対応しています。

このノブの質感がかなり高く、金属製でとても見た目がいい。デスクに置いたときにノブが目に入るたびに、価格帯を超えたクオリティを感じさせてくれるパーツです。

キーキャップの黄色部分については、他の色の選択肢または、すべて同じ色で統一されているものがある方がいいなと思いました。

側面

側面から見ると、前面が約2cm、背面側が約3cmと、手前から奥に向かってなだらかに高くなる設計になっています(キーキャップを含まない本体の高さ)。

ケースの厚み自体はありますが、パームレストなしでも1日中仕事をしていて特に疲れを感じませんでした。一般的なメカニカルキーボードと比べて手首の角度が自然で、長時間タイピングしても手首への負担が少ない設計です。

側面にはRGBのアクセントライトが入っており、デスクに置いたときに横から見ても存在感があります。素材はABSプラスチックですが、側面の仕上げはマットで、安価なキーボードにありがちな光沢素材の安っぽさは出ていません。

背面

背面には接続モードの切り替えスイッチとWindows・Macの切り替えスイッチが物理的に配置されています。

接続モードの変更がソフトウェアなしで完結するのは、実際に使うと地味にありがたいポイントです。2.4GHzドングルの収納スロットもあり、持ち運ぶ際にドングルを紛失する心配がありません。

USB-Cポートも背面に配置されており、ケーブルをさした状態でもデスク上での見た目がすっきりします。細部まで丁寧に作られている印象で、背面を見ただけでも製品としての完成度の高さが伝わってきます。

裏面

裏面にはゴム足が配置されており、デスクへの吸着感が強い設計です。

900g前後の重量とゴム足の組み合わせで、どれだけ勢いよく打ち込んでもキーボードがずれることがありません。キックスタンドも裏面に搭載されており、2段階で傾斜を調整できます。

スタンドを立てた状態でも安定感は損なわれません。裏面の素材もABSプラスチックですが、全体的にマットな仕上げで統一されており、裏返したときに素材の粗さが気になるようなことはありませんでした。

素材感まとめ

全体を通して、ABSプラスチックという素材の限界の中でできる最善をやっているという印象です。

金属筐体のような高級感のある質感はないとは感じます。ただ、マットな表面処理と高い組み付け精度のおかげで、手に取ったときの「安っぽさ」は想定より少ない。デスクに置いた状態での見た目は価格帯を超えています。「アルミ筐体じゃないと嫌だ」という方には向きませんが、素材よりも打鍵体感やバッテリーにコストをかけてほしいという方には、この割り切りは納得できる判断だと思います。

EPOMAKER TH80 V2:メリット

ガスケットマウント×5層吸音材の打鍵体感

このキーボードの良さには打鍵感というのがあります。そもそもこのブランドの打鍵感はどのキーボードも最高です。

打鍵音の「静かさ」ではなく「音の質」でした。カン、カンという金属的な残響がないんです。キーを打つたびに音の輪郭がすっきりしていて、ボディが鳴く感じがまったくありません。高価格帯のキーボードでよく語られる「thock感」に近い、落ち着いた低音の打鍵音が、この価格帯で出ています。これはすごい。

これはガスケットマウント構造と5層吸音材の組み合わせが効いている感じがします。ガスケットマウントというのは、内部の基板をゴム素材で浮かせる設計のことで、打鍵の衝撃が直接ボディに伝わらない構造です。

指先に返ってくる感触が柔らかく、底打ちしたときのゴツンという硬い感触がありません。内部にはPORON、IXPE、ラテックス、シリコンといった素材の5層が入っていて、打鍵音の余韻をしっかり吸収してくれています。キーボードのボディを手で叩いてみると、安価なキーボードに多い「ペコペコした空洞感のある音」が出ません。内部がしっかり詰まっている印象です。

前面の高さは2cmで、手首がデスク面に自然に乗る角度でタイピングできます。キックスタンドで傾斜を調整することもできますが、フラットに近い状態で数時間打ち続けても手首に違和感は出ませんでした。「静音キーボードが欲しいわけじゃないけど、うるさいのも嫌」という、なかなか言語化しにくい要望に、このキーボードはちゃんと応えてくれています。

8,000mAhバッテリーで充電を忘れられる

正直、最初にスペックを見たとき「キーボードに8,000mAhって過剰じゃないか」と思いました。スマートフォンと同等かそれ以上の容量です。モバイルバッテリーとして使えるんじゃないかと思うくらいの数字で、キーボードに積む意味があるのかと半信半疑でした。

ところが使い始めると、この容量が地味にありがたいんです。RGB点灯あり・通常使用の状態で、1週間以上充電不要でした。充電のことを意識しなくなりました。ワイヤレスキーボードを使っていて一番ストレスになるのは、作業の途中で突然バッテリーが切れる瞬間です。集中しているときに限って電池が切れる、という経験をしたことがある方には刺さると思います。TH80 V2はその心配がほぼありません。

デスクに据え置いて毎日使う前提であれば、週1回の充電すら不要になるケースもあります。もちろんRGBをオフにすればさらに延びます。『充電を管理しなくていい道具』というのは、思っている以上に作業への集中を助けてくれます。道具のメンテナンスに割くエネルギーが減るぶん、毎日の作業が少し楽になります。

PBT+Cherryプロファイルキーキャップの完成度

キーキャップはPBTダブルショット・Cherryプロファイルです。この組み合わせ、以前レビューしたCarbon60でも触れましたが、やはり手に合います。使い込むほどに「これが正解だ」と思わされる組み合わせです。

指の腹が触れる面にわずかなざらつきがあり、長時間打っても指先が滑ってミスタイプするということがありませんでした。ABS素材のキーキャップは使い込むにつれて表面が光って滑りやすくなりますが、PBTはその劣化が起きにくい素材です。

買った時の質感が長く続くので、半年・1年と使い続けても打ち心地が変わりません。ダブルショット成形は文字の印字がキーキャップと一体になっているため、長期使用で印字が消えることもありません。

Cherryプロファイルは低めのキー高と、指の形に沿ったなだらかなカーブが特徴です。

指の移動距離が自然に短くなり、ホームポジションから外れたキーを打つときの違和感が少ない。長時間のタイピングでも指が疲れにくい。「高級キーボードを渡り歩いた人が最終的にたどり着く」と他のレビューで言われる理由が、使ってみるとよくわかります。この価格帯でこのキーキャップが標準搭載されているのは、素直に評価したいポイントです。

トリモード接続と最大5台デバイス記憶

USB-C有線、2.4GHzドングル、Bluetoothの3モードに対応しています。背面のスイッチで切り替えるだけなので、操作に迷いません。接続モードの切り替えにメニューを開く必要がなく、物理スイッチを動かすだけで完結するのが実際に使ってみると快適です。

特に便利だと感じたのは、最大5台までのデバイスを記憶できる点です。メインのデスクトップPC、作業用のノートPC、タブレットと複数のデバイスを行き来する使い方でも、切り替えがスムーズです。複数のデバイスを1台のキーボードで管理したい方には、この仕様は実用上かなり大きな差になります。いちいちペアリングをやり直す手間がなく、記憶したデバイスの間をスイッチ操作だけで行き来できます。

MacとWindows両対応で、Mac用修飾キーキャップも同梱されているので、Macユーザーも追加設定なしに使い始められます。2.4GHzの遅延は実使用でほぼ感じません。Bluetoothは切り替えに数秒かかりますが、頻繁にデバイスを行き来しない使い方であれば問題になりません。「ケーブルを抜き差しせずに複数デバイスを使い回したい」「デスク周りをすっきりさせたい」という方には特に刺さる仕様です。

ホットスワップで後から打ち心地を変えられる

スイッチは3ピン・5ピン両対応のホットスワップPCBです。工具不要でスイッチを引き抜いて差し替えられます。キースイッチを交換するためにハンダごてを用意する必要がなく、スイッチプラーで引き抜いて新しいスイッチを差し込むだけです。

これが何を意味するかというと、「キーボード本体を買い替えなくても、打ち心地をいつでも別のものに変えられる」ということです。最初はCreamy Jadeで使い始めて、しばらくしてもっと静かなスイッチが欲しくなったらSea Salt Silent V2に乗せ替える、あるいは別メーカーの気になるスイッチを試してみる、といった使い方ができます。1本単位で交換できるので、よく使うキーだけ別のスイッチにする、という遊び方も可能です。

メカニカルキーボードの世界ではスイッチ選びへのこだわりが深い方が多く、ホットスワップ対応はそういった層にとって実質的な拡張性として機能します。

また、スイッチが1個壊れたとしても、その1個だけ交換すれば済むという耐久性の観点でも有利です。$69.99という価格帯でこの自由度が確保されているのは、長く使い続けられる理由のひとつです。キーボードとしての完成度を保ちながら、自分好みに育てていける余白がある。そういうキーボードです。

EPOMAKER TH80 V2:デメリット

ABS筐体の素材感は価格相応

手に取った瞬間、「あ、プラスチックだな」とわかります。

筐体はABSプラスチック製で、強く握っても変形はしませんし、タイピング中に剛性が気になることもありません。ただ、アルミ筐体やカスタムキーボード相当の硬さは期待できません。表面処理である程度カバーされているので、デスクに置いた状態では安っぽさは出ていませんが、手に取った瞬間だけ「価格相当のキーボードだな」という印象が正直あります。

これが致命的なデメリットかというと、そうではないと思っています。ガスケットマウントや5層吸音材、PBTキーキャップなど、指が実際に触れる部分や打鍵体感に関わる部分への投資を優先した結果、筐体素材をABSで抑えているといった設定だと思っていて、その分、機能に文句はありません。

どこにコストをかけるかという優先順位の問題で、EPOMAKERはその答えを「触れる部分」に置いています。

ただ、「見た目のプレミアム感」や「持ったときの金属的な質感」を重視する方には、物足りなさを感じる部分かもしれませんが、全体的のデザイン性に満足しています。

側面部分のデザイン性も高い

EPOMAKER TH80 V2レビュー:まとめ

「デスクに置いて、毎日気持ちよく打つ」という目的に対して、その答えをしっかり出しています。ガスケットマウントの打鍵体感、8,000mAhの余裕、PBTキーキャップの完成度。この価格帯でこれだけ揃っているキーボードは、そう多くありません。デスクの主役になれる一台です。

Amazonで販売されているのでぜひ。

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SHERE

この記事を書いた人

インテリアとガジェットを嗜むアラフォー。
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